ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔51〕うさぎ小屋とはいっても、その集合住宅を当時、どれ程、羨望の眼差しで、長崎市民が見ていたのか?つい最近のNHKの番組で初めて知ったキャロです。原爆の痛手から立ち直る証しとして、市民みずから手を取り合って、大長崎建設が手掛けたプロジェクト。当時の周囲の写真なども番組で紹介してあり、車などの車種が懐かしくて、胸が充満する思いでした。キャロにとっては、そこは、戦地でしたから。弱い父の陰でいつも布団に寝せられていたキャロは、ある日、包丁が目の前を通過するのを・・・。それは最後に朱いお膳に叩き付けられて、包丁の刃の形に朱色の部位が欠けて、キャロはようやく両親が思想の闘争という厄介な戦いに、精神エネルギーを費やしていることを直感するし、この身に何かが起こる前に神のさい配を受けるべきと、報告をするのです。