ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔53〕こころの何処かに、救いを求めて、それが達成されるのでは?という希望はもちろんあったし、それが、民間の家、キャロを預かる家の存在でした。いつになるのか?両親は、それについて、激しい攻防を繰り返していた。なんでこういう闘争の現場に??もう勘弁してくれよ・・・と。父の言い分はこうでした。タヤに一目逢わせたい、キャロを抱いて、矢上神社にお宮参りに行き、そして、何晩かを、矢上の父の生家で過ごそうと。それに納得出来ないのか、母は折れるということをしません。教員の産前産後休暇を余すことなく使いずっとアパートでキャロと過ごしたいっていう願望が先に立っていたのでしょう。父は土下座しています。僕の一生のお願いです。せめて一晩だけで、いいから、この娘をあのタヤに触らせたいのです。母は強靭でした。蹴り上げています。プロレスの技も容赦なく使います。ちゃぶ台は、ひっくり返り、むざんにも食べ物が散乱。キャロは辛うじて包丁がないことに安堵します。母タヤを慕う父のマザコンの強度が、相当であることを、聡明な母は見抜いていたし、毎月のお給料の一部をタヤに渡しているのでは?という邪推が母には健在でした。この期に及んで、まだ、タヤなのか???母は、結婚を墓場と位置付けます。そして、結婚を選んだ自分のふがいなさを、決断のミスをキャロのこころにぶつけて来るのです。あなたは、わがままです!と満を持したキャロは、第一回テレパを送ります。それは、矯正という初めての試みでした。あなたはひど過ぎます!キャロはテレパを続行します。あなたは、母親の域を脱しています!!母は駆け寄り、キャロを抱き上げます。一体なにが、母に起こったというのでしょう・・・。