イエローダイヤ・マン1525

 僕はバイトの帰りに、久しぶりに百円バナナを購入して帰ってきた。これは父が生前よく購入していた。番所橋の前に建つバナナ工場で売りに出されていて、エクアドル産のまろやか風味。五本入っていた。

 ここ一年・・・バナナを食べていなかったという大変な事態だ。しかも、エクアドルが何処にあるか、分からない。これは記憶障害の影響ではなく、明らかな勉強不足からくる無知識状態。バイトに出るようになって、外気に触れて、世間様の顔をようやく拝んでいる。しかも僕は自分の出た幼稚園の横にあるセブンイレブンに勤務でかなり恵まれている。今にして思えば僕は罪を犯して逃げるように幼稚園を転園し、この幼稚園に編入して年長さんになる。なんていうご加護だろうか。両親は僕のために転居を決め、母は、この地に定住することを覚悟して専業主婦になったのだ。僕は弟が生まれて母が教員をやめたとばかり思っていた。違っていたのだ。母は、お金ではない何かを選んだ・・・それはだんだんと執筆を、重ねていくうちに、僕の中で確かな手応えになっていくのだ。きっと僕は、キリストによって救われたのだと思う。前に通っていた幼稚園の姉妹園だったことでもその旨が明らかになっている。罪を犯したのに僕は誰にも知られず、この街で再生を果たす。そして今はその横にあるセブンイレブンに奉公しているのだ。今日は給与日だった。一万七千円は大金だ。それが振り込まれていた。感動で、胸がいっぱいになった。車の保険を三ヶ月分、さっそく近所のファミリーマートで支払った。これから稼ぐ体制に入っている。電話は来たらすぐにも出よう!!夏バテでスタッフの誰かが倒れたら、僕にオーナーから知らせが入るだろう♪