西🏝姫瑠のアディショナルタイム(110)

 

日曜日は必ず店での仕事が終わったら僕は百円玉を握りしめて、長崎バナナに寄る。今週は危なかった。どう見ても富裕層の彼女が二房も抱えてまだ、足りないのか物色している。もう、ないかも・・・怖くて恐る恐る観ると彼女は、僕の取り分を残してあとはごっそり購入して帰って行った。僕は独り言を言って自分でそれに聞き入る癖がある。ねえ、なぜ、でっかいクルマに乗るあなたが、ごっそり買っていくの?まとめ買い?いっぱい家族はあるのかもしれないけど、ここだけは荒らさないで!!って。でも金持ちだって、安いものには目をつける。栄養価も高い。あらゆるタイプがおいてある。3本か4本つく青いものもあれば、大きな房ではないものの長さがある数本もの。中には5本以上はつく小ぶりだが、オトクな房。選り取り見取りなのだ。ひと袋につき百円を入れて帰ればいいし、誰とも言葉を交わさなくても佳い。そこが美味♪セブンイレブンのバナナも美味いが、手が出ない。ここならどうにか買える。亡夫はいつもこう言っていた。容子が本物になるとき、このバナナを買うだろうって。一体。全体。どういう意味だったんだろう。今の今、わかってきた。意味深発言の本当の真相が・・・び、貧乏が本物になったとき・・・っていう意味だったんだ。