ブラックオニキ・マン157

 僕らは茣蓙を敷く民族で夏はイ草も香ばしい。なぜ、猛暑でも、それなりに、涼にあやかることが出来る?様々な商品がある工夫満載の国だから…。蚊帳、風鈴、テコキ扇風機、すだれ、日よけシェードそして、かき氷…etc幸せな民族である。しかし、僕らがこう思う瞬間にも、姉から母は厳し過ぎる未来を言い渡されていたのだ。こんな、裕福過ぎる日本は、90年もたない。ええ?なんで90年?母は孫の手を握りしめ、計算する。孫が96歳になるその頃の日本までタイムスリップしていたのだ。幸せは長くは続かない。姉は預言者の娘だ。発言は決して軽くはない。僕らオトコの兄弟では、感知が難しいエリアまで時間旅行し、足を延ばし、独自の触覚で事態を把握する。女子には男子にはない感応枠が存在するのだろう。