デニム・ブルー・サファイアママン17

 ウエスト56センチにみんなが沸きかえる世相の通りに、自分もそこに重心を合わせればきっとお似合いのカップルになれるのに私は意固地だった。そこは認めます。親友のひとりがつぶやく。ここまで来てまだ迷っているのならあなたは優柔不断型ね?ってそう振ってくる、その通りではあるけど深い示唆があると解釈したのです。黙って聞いていると彼女はあたしより2歳お姉さんだけあって意味深なことを言ってくる。あの敗戦で失ったものが一杯あっただろうけど、ひと握りのチャンスがみんなに平等に分け与えられた、って思うのよ。私は意味はよくわからずまだ、黙っていると、みずから幸せに分け入って行こうと思っても良くないのって彼女は言う。それは?って訊くと、不幸だと直感しても飛び込んでいく勇気が全員に問われているのかもって。何か得体のしれない愛の存在だったのです。あなたは海軍大佐の娘でずっと十六歳まで何不自由なく過ごして来た。そのせいで、真実の幸福が見えなくなっているだけ・・・私は思い当たることがあったのです。母が言った言葉。これはとっても貴重だったのです。悲しいからってその日暮らしになることがもっともみじめ。希望を常に持ってなさい。正しさを常に持ってなさい。私はふと思い返していたのです。もしかしたら彼女は母と同じことを言い当てている!!私の未来のすべてを掌握しているって。