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 里子ははっとして我にかえる。孫が自分遊びをしている会話・・・それに驚くのです。一人二役です。相手がいて盛んに話し掛ける。そしてそれに答えて会話が続行、延々と楽しそうな二人の会話が展開でそれを全部自分の言葉で賄う。これはもしかしたら将来逸材かも?って。確かにそういうお子さんは多い。お店屋さんごっこでお客さんになったりレジ係になったりで会話がずっと先まで進行。この孫が受け継いだ遺伝子に自分の比率もあるゆえ将来が楽しみだなって思うのです。いつかこの一人芝居も子供の大半が大人になるにつれ、無くなっていく現象ではあるけど、この孫にはずっとこの線を維持して欲しいが芽生えます。それを止めるのは周りがとやかく言うからです。実に里子は自分の小さい時を思い出す・・・そこで自分芝居をしていたら世間がどう思うのか?とか親が心配になったりで里子の母も五歳くらいまで教育やマナーに厳しくてひとりごとを好まなかった記憶がある。この一部始終を歓待しましょう。自分の世界をこの年で構築しようとしていることに里子は異議を唱えません。あえてそうするのも時代の干からびを知っているからです。マニュアル通りでお願いします!!これが大人社会の決まり文句。しかも自分が間違っても絶対に反省なし!!こういう汚い世界に比較して子供の世界は有意義です。本当の意味での遊戯は子供にとって値千金。中々親でも理解出来ないっていう大人ばかり。出来ればあなたはそうなりましょう!!世界に羽ばたく人材とはそういう場所から生まれるのです。