イエローダイヤ・マン《標榜編》〔423〕俺が最も憧れる車があってその車がレンタル出来ないものかをずっと探しあぐねていたが、とうとう見つからなかった。クーパーの魅力はなんといっても高級感とおしゃれ感にあって、例えば旦那がBMに乗っていた場合夫人のセカンドカーといったセレクトも多く俺の憧れは富裕層の選択の余地の洒脱さにあって、たぶん...俺なんかが乗るクルマではない。クラブマン...この車の車体の後部がカッコイイ!!なんというか観音開きを思わせてそこが日本人の心をわし掴みにする。他の車とは一味違う厳かさで俺はクルマで彼女の心を射止めたい!!とそう戦略的になっていたのも、束の間、けたたましい携帯音で俺は、現実に目覚める。何と彼女が俺のスーツケースを開けて中身を全部見た!!という連絡でそれはその場にいなくとも係員を通じて開けることが出来るシステム。中身を全部写メに納めることが遠隔操作の手順で可能だったのだ。俺には信じられない事だったが、彼女からクレームが入る。手紙フェチで捨てられなかったあの手紙の束だ。彼女がエントランスにこう申し出て来たらしい。過去に拘っている男性は遠慮したい!って。