サファイア・マン《かけがえのない男編》〔38〕パーティに行きませんか?と乙姫部長に尋ねられ、なんですか?って興味ツンツン。これは団体観光旅行や社員旅行で、日昇館ホテルに宿泊宴会されるお客様のお世話係りで思案橋の自分のお店まで引率してきて欲しいということだった。引率かあ・・・一体どうやって連行するわけ?キャロルは先輩である恵理に訊く。恵理は詳しく教えてくれる。店での指名1本になるし、旅行客が来ればパーティに行ったホステス人数でそのテーブル売り上げを割って当月成績に加算、いいことずくめなのだという。ただし酔っ払いもいるから精神的にきついし六時前にホテルに集合だから、その辺での大変さもある。恵理はその頃率先してパーティ参加をしていた。宴会は大体2時間でアルバイト料は四千円から五千円だった。クラブのお給料に付加されるのでお給料日はその分嬉しくなると。キャロルは恵理に誘われる。パーティの時には一緒にタクシーに乗っていきましょうよ、その方が私達も助かるの。恵理以外にもうひとり浦上方面経由が先輩にいたのです。そうしましょうかと言いながらキャロルは保育園が何時から預かってくれるのかをもう一回確認するのです。夕方五時から夜間二時まで。ひとまず安心です。パーティの時には、キャロルは子供達ふたり預けて、恵理を乗せて、もうひとりの待つ家を中継して日昇館に登ることになります。だいたい平均して月に四回は出たでしょうか。この引率率では以前も行ったようにクラブ第一位でした。クラブが旅行者にとっての二次会にあたるわけですが、高級会員制クラブでありながら社員旅行に目を付けた点でオーナーは立派だったし、そういう旅行者は一時間内外でボトル込み八千円くらいだったと記憶します。