サファイア・マン《緻密な男編》〔49〕いつの間にか、側でハッスルしていた男性がカウンターで眠りこけています。自分達だけが盛り上がってしまっていた?とキャロルは心配顔になりますがマスターは大丈夫ですよ、彼は時間が来たら睡眠タイム突入なんですよ?と。もしも閉店時間まで起きないときにはあゆみさんに送迎をお願いします!冗談めかしてマスターは他の顧客の相手をしにそこを去ります。恵理は、三菱でも自分の銭で支払う彼らのような顧客が一番顧客水準が高いことを話題にしてきます。キャロルが一瞬考えたのは、自分達の金では飲まない連中のことで、いわゆる社用族と呼ばれる顧客ゾーンについてです。店にとってはこの社用族こそが素敵なブレーンではあったのですが、この同僚同士で飲む人々のマイコイン族にも美味がありました。マスターはそのことに気がついていた。時代を切り開くハンマーを持っていた証し・・・。同じくキャロルもそうでした。会社の銭で来ている人々は確かに特需ではありましたが、かんじんなこころの触れ合いに及んでは?疑問マークは字のごとく一点だけ付加していました。万が一のときにはタクシー代をどうしよう・・・とキャロルは悩みます。恵理は杞憂に過ぎないと笑い飛ばします。彼は居眠りの常習犯なんですよ?ちゃんと準備は万端です・・・と。