五つの章、5、 7、 5、 7 、7を単純合計すると、31文字。キャロは、叔母、ミチに短歌の手解きを、小二から、三年余り受けて、それこそ、もともと仲の良かった、母のはずなんですがねえ。このミチに対しても、母は素っ気無くしたんだ。残念だったけど、極力、母の目を盗んで、キャロは叔母と話をしたんだ。31文字に縛られていること、全くないんだって・・・。むしろ、詩を書くようにって。だから、自由短歌の先駆者とも言える。しかし、アララギにいる以上は、そういう思いを表には出さなかったっていう、こころ掛け、偉いなあって思うんだ。ミチは毎日新聞によく掲載されていたらしいんだ。しかし、肝心なことを、いい忘れていたんだよ!稲の花の一首について。だから、説明書きって短歌には必須なんだと思う。あの花、二時間しか咲かないらしいんだよ。父は、見たことがあるって。キャロはないんだ。やはり、実際、田んぼに出た人にしか、見ることのかなわない、そういう、レアーな花だったんだ・・・。呆然としたね~自分が間違った添削をしたっていうのがね、すぐわかったんだ。二時間しか、咲かないから、歩みてくれば・・・だったんだ。ミチは戻って、もう一度、花を見ようとしたんだ。それを、無粋なキャロが歩みてゆけば〔逝けば〕に添削して、自著よみびとしらすに掲載、あれ程に後悔したってのはキャロの人生に、そうないんだ。