いやあ、今まで、我が家に弟と父が来ていたんだ。本当に、いきなり、来たからね。父は招待してたけど、弟は・・・。こういうキャロの冷酷さって、あるかもしれない。教授は、その点、優しいんだ。やっぱり、田舎の出〔で〕なんだね。キャロ大根を擦ってたんだよ、アジの塩焼きに添える分なんだけど、それ、全部弟が食って、もっと、醤油頂戴だって。久しぶりに食ったらしい。懐かしい味だって。何を考えているかキャロには全くわからない。父の通帳と印鑑は自分が持って、これから、ちゃんと面倒をみるっていうことを、総合すれば、弟は言いたかったんだ。ま、いっかあ、一緒に住んでいる弟に任せることに教授も同意したんだ。そうだ!宇部琴芝駅でね、遊びに来た弟を送る短歌を思い出したよ。いつ帰らなくっちゃっていう、規制がニートの弟にはなくって、キャロが36才だから彼は、30才・・・。時刻表を見て、何時に来るからその汽車に乗りなさいって、促してもね~中々、決めようとしないんだね。まだ、居ても構わないって。ここが、暇人の怖いとこ。汽車に乗せ込むことすら、一筋縄ではいかない。じゃあ、一首いくべ。30歳にして いまだ定職に ありつけぬ 弟と見る 時刻表は無く〔無くには泣くが掛かる〕