深夜だったと記憶するんだ。固定の電話が一回、プルルルと鳴って切れたんだ。とっても心配だった。何か父にあったのか?でもよく考えると、父の固定は止まっている。お客様の都合でって奴じゃあない。弟の仕業なんだ。せっかく、父が買った、地デジ対応のテレビも、弟が撤去、酷過ぎるよね、幾ら、弟であっても、キャロは許せないんだ。父の年金で、食いつないできた人間が、そこまでする?働くことも、存外にして・・・。脇田大佐、憂いの目で、なんとか出来ないものかって、嘆いている。母も黄泉の国から、とても心配しているんだ。でも、キャロにも、責任がないって、跳ね除けることは、難しいんだ。六歳上であるキャロを、母親のように慕っていた。色の白い、紅顔の美少年・・・。本当に、骨肉っていうだけのことはあるんだ。父が亡くなっても、葬式はせず、そのまま、火葬場に・・・って、父と取り決めまでしているらしいんだ。戒名は、父からすでに教授が預かっているんだ。僧侶だから、それが可能なんだ。観世〔かんせい〕という、父の布教使兼僧侶としての名前2文字がしっかり入っていて、いいなあって。キャロもこの2文字は、注目していたし、短歌でも詠む機会が多かったんだ~幾つか、いってみっべ♪