デニム・ブルーママン21の2

 

自動車学校に行くだけで、希子が承諾する訳はなく、専門学校へ行く道を夫の姉、マレは力説しに来ました。ずかずか二階まで昇って来ることはありませんが、容子がトイレに降りて来るチャンスを見計らい、手に職を付けて歩む手堅さを解くのです。奉公する姿勢を第一義に据えた論議。私には迷いは当然ありました。本当にそれで充分なのか?父(脇田大佐)は手堅く人生を生きたはずなのに、時の戦争に翻弄され、母も、やがて、精神も身体も衰弱して亡くなったからです。人生をもっと違う方向から眺める姿勢は肝心。しかし、私が厭世主義を貫徹する意向は何より大事で、あくまで、部外者を、装い続けていたのです。