ブラックオニキス・マン

 

歌詞も楽曲も、さらに言うなら、歌手も素晴らしい唯一無二なら、それらは想像を超えるものだろう。しかし、僕は3本立て以外にもうひとつが、存在するように思えてならない。歌詞、楽曲、歌手、あとひとつ、ユーザーがどっしり座るソファである。聞き手の耳に浸透する音源を恐らく母は探してやまなかった。僕は、子供でありながら、母の楽曲を耳にしたことは全くない。それくらい、鉄のカーテンを垂らしてまで、家族にも秘密にして、母が拘ったことは、今にして思うと、ありえない。お客様第一主義をモットーとする母らしい。お客様が真っ先に聴くべき…を、最後まで貫いたのだ。