Ss101

 ちっぽけな僕が何か発言しようとすれば必ず、そこに死者の顔に被せられる布が付いて来たのにそれがなくなった。いつか、僕はブログ界の人々と合流し、今度はユーチューバー海域の人々と合流するか?という野心に燃えている。そのユーチューバー魂を甥っこの三歳の子供から伝授される。沢山の映像の中からこの息子はひとつを選び出し、そればかりを開いている。昨日も、おとついもだ。僕は意外に思う。面白そうにしているから覗くと彼が観ているのは画像ではなく、どうも耳で音楽を聞いているのだ。これはどういうことだ??と僕は穿った見方で彼の音感を採寸する。まだ弱冠三歳の甥っこだ。好きな音楽だったとはいえ、毎日引きずられるようにそればかり聞いているのか、そこに僕の興味は湧いた。僕はあえて彼には尋ねずじっと様子を伺っている。彼は何回もその音楽を聞きつつも、画面はおまけで推移しているのだ。っということは次のような理屈が成り立つ。大人が聞く分にもその旋律はアグレッシブで神秘的なのだ。それをこんな小さな幼児が解釈することが果たして可能なのか??と。ダブルの疑問符だったが、僕は失敗する。彼がどの画像を開いていたかを確認し忘れるのだ。これじゃあ、何という楽曲を甥っ子が気に入って聞いていたかが分からない。迷宮入りもいいとこだ。しかしひとつだけ、確信が残っている。こんなに小さい頃から好きな傾向の楽曲は存在するという事実である。