西🏝姫瑠のアディショナルタイム393

 

私が自分を本当の男の子だ・・と確信した瞬間があった。幼馴染の母同士が仲いいスポーツ男子がいて、お互い活発で気があった。彼が六歳であたしも同じ。しかしあたしは女子の格好をしている、なりは女子だった。蛇の尻尾を掴んで彼が振り回し始めた。あたしは怖くて退く・・・彼は豪快に笑いながら蛇を振り回して笑っている。私は自分をこう思った・・・世の中で最も怖い物を知っている男子だ。長い間、私は女子として分類されてきたが覚醒はこのときだった。女の子として生きるほうが楽っちゃあラクかも。男子は豪傑でそのあともずっと私のボーイフレンドだった。しかし男の子である私の正体を彼はいつか・・・見抜いてしまった。この手応えはほろ苦くしかし強かった。思春期になるとお互いよく見えてくるからだ。男子としての生き方をあたしはこれからチョイスする。これまで苦手だと思っていたすべてのことが幕を挙げる。躊躇した期間が長かったこともみんながやがては理解する。生き方をチェンジするとは・・・口で言うほど容易ではない。キャラが変わるということはパーソンが入れ替わることだからだ。