西🏝姫瑠のアディショナルタイム(164)

 

セブンスタッフになっても店に来た商品すらさわれないスタッフがあたしだけ・・・って長い間、落ち込んでいたところ朗報が入ります。彼があたしにこう言った。僕とあなたは商品の品出しが出来ないんですよ。ええええ?あたしは天にも昇る気分になって、なんでなんで?って詰め寄ります。彼の手首を掴んでしまっていたんです。彼はあたしの手を払い退けて、やめてください!!ってきっぱり。僕は人から触られるのは嫌なんです。わ、わかりました。ごめんなさいって素直に謝罪して、揚げ物のコーナーに行きかけた足を止めて、彼に持ちかけるんです。ねえ。あたしたちも、品出しが出来るようにお願いしませんか?なぜ、ダメなのか、イマイチわからない。・・・すると堰を切ったように彼が話し始める。組織には、必ずルールがあります。チームワークも一番重んじられる・・・滅多なことに出ることがどんなに非常識なことなのか?そこを憂慮します。大先輩に意見を言うなんてもっての他、今のままで充分だと僕は思います。そうなのね、あたしたちは、それでもバイト料は減らないしね。あたしは自分だけが商品を触れないって悲観していたかつての境遇から抜け出せて、あれからルンルン気分。彼を見る度に、人生でいうところのやる気に見舞われているのです。