デニム・ブルーママン17の19

 

自分は厳密に言うと落第生で、言葉では説明出来ないくらい落ち込むけど、内容は凄くいいっていう自己査定をしていた容子に、プライドは残存していたのでしょう、もしも自分はダメだ・・・で終わってしまっていたら容子の発奮は世の中に飲み込まれていたに違いないのです。二年生で転校生の辛辣というスプラッシュを浴びたことで逆に冷静になって周囲はどういう目で自分を見ているか?この辺が明らかになっていったことで次は動作がし易くなっていたことは自明でしょう。人は低く、ともすれば最低ランクに自分を見ている・・・こういう場合、底上げの仕方が限定的になることはやむをえない。自分の内容をもっと積み増ししていくしかない・・ってそのとき、思っていたのはイメージの刷新も視野内だったということです。怠け者で不良に近いのでは?っていう認識が街の人達に根付いていたことは必至で、払拭の方法も学生なりに吟味をしていたようです。クラスでは中位の成績を常に保ってその先が正しく問われていました。私はそこで文学や音楽の方向性を容子がしっかり死守をしてスタンスを保っているのなら大丈夫って見ていたのですが、容子は、それだけでは何かを見落としているようで、人知れず、具体策を講じていたようです。作曲も日々精進していました。鍵盤なしでも作曲が可能でしたが、それだけでは不本意だったのです。いくら曲を作っても、それが世の中に頒布がないなら作らなかったことと同位・・・しかしまだ、17歳です。悲観的になって閉鎖的に捉えるよりまず、曲数を蓄えることに邁進していたのです。☆矢上ファミマにて☆