デニム・ブルーママン11の14

 容子の6歳下の弟が幼稚園に通い始めて、私にも自由な時間が生まれていました。送迎バスが来てくれるから助かります。私は矢上(やがみ)のバス停で乗せるだけ。帰りもそこで待つ。ちょうど近くの支所でお料理教室が開くというので入会します。ひと通りは出来ると勝手に思い込んでいるのも不自然だったし、専業主婦は時間が無尽蔵にある。腐る程ある。この時間の海で溺れてしまいかねない自分の怠け者の体質も気にはなっていた。親しくなった容子の同級生のお母さんに誘われたことも好材料でした。自分には友達がいないことを、余り気にしないタイプだった。むしろ一人を好んだ。しかし、それは違うことを知るのです。貴女と、とことん話してみたかったのよ…そう言われると悪い気はしません。専業主婦はその頃は巷にわんさかいたのです。