成績で人生を左右されることに反発があっても、そこまで、内奥が落ち込んではいない容子。転校したことを近隣に晒していまうことで辛辣そのものが待ち構えてはいたんですが、自信のようなものは漲っていたのです。諫早高校の編入試験の結果は即日出て、容子は長崎日大高校への転校で決着します。親はまた出費が嵩むのですが、そこでの申し訳なさ・・・っていう場面を見ながら私はやれやれっていう気持ちに陥るのです。制服や鞄を購入するのにも、またお金が懸るっていうのに、ネクタイを締めないといけないという日大高校の制服に、容子は息苦しさを感じたのか、苦手だなあってあたしに言ってきたのです。首がみんなより短かったのです。でも高校は出ないといけない・・・そうだよね?私は深く頷きました。春休みが終わって、夫は初で容子を引率して、新二年生のクラスに入れて貰うために、日大高校へ行くのですが、学校内にレストランがあって、一緒に食事を摂る機会があったといいます。容子はカレーライス、夫もそれを頼み、ビールはなかね?って学食の人に質問したといいます。えええ?皆がびっくりします。夫は我に返ってみずからの失言に自分で赤くなってしまったようです。ごめんね!!って容子はそこで父親に謝罪をしたようです。出来の悪い娘であることは決して父親を幸せにはしないけど、容子の心には決心があったのです。私の将来を見ていて!!絶対に・・・父親は、容子の顔を見つめながら、この子がなんの為に生まれて来たかをじっくり考えてみたのです。将来は図書方面に行かせたい!!って父親は絶対的にそう思うんですが、そのときの容子ときたら、全くそういう意志や希望はなかったようなのです。