デニムブルー・ママン18の5

 

このコーナーを容子が金曜日にシフトしたのも、ぜひ長崎日大高校のみんなに読んでもらいたいからです。容子は転校を余儀なくしてそこで迷わず編入させてもらえた当時を、今とても感謝しているからです。短大もせっかく入学しながら行ってない。音楽に傾倒し、大事なことをおろそかにしてしまった。しかしこの高3の新聞配達をここまで完璧にやり終えることが出来る自分に光明を見出すのです。店主の飯野さんは子沢山で、それでもみんなを指揮し、朝早くから踏ん張っていました。バイクで配るスタッフと自転車で配るスタッフの半分ずつに分かれていたのです。しかし一回配ってまた戻り、新聞配達第二号をみずからやっていたようで、それは当時からやはり来るスタッフの応募が少なかったことも言えるでしょう。やがて信頼を得て容子は集金も任されて、お金を受け取って、領収書を相手に渡すっていうシーンを体験します。この機会にあの子が学んだことは、家にいる相手となかなか会えないという遭遇の難しさ。いつ、行けばいいのか?朝起きているのなら、さすがに朝集金すれば良い話ですが、朝は遅いようだ。しかも夕方もなかなかピンポンに応じて来ない。どうしたものか?同じ家に何回もいくうち、容子は居留守の法則を発見するのです。いないふりをしても埒は開かない。それなのに埒は開いている・・・これどういうことなのでしょう。世の中の矛盾を紐解く鍵になると睨むのです。