デニム・ブルーママン17の10

 今の新大工町のジョイフルサンの付近からちょっと歩いた場所に、下宿館があり、女子生徒を数名預かって、寝泊りもさせて食事もついている女子下宿施設があり、容子がここに入って勉強したい!!って言ってきたことは驚きでした。しかしながら、一ヶ月もしないうちに、そこでの生活に飽きてしまい、勉強に身を入れていくことにはならず、何の為に親はお金を費やして、下宿のことまで世話しないといけないのか・・・は親になったら、みんなもきっとわかります。手持ちぶさたが、あの娘の場合、手持ち豚さんなのです。本来なら、お金の懸ることには極めて真剣に取り組むはずが、お金で苦労をしたことがない、苦労に関してど素人の部分が、私も気になりました。下宿館に入り、お友達が出来るかも?って期待したのでしょうか。食事のとき、それはそれは嬉しくて、家とは全く違うものをお腹に入れて、いざ、勉強となっても、まったく、はかどることはなく、一ヶ月いただけで、家に帰りたい!!って。駄々をこねてそのときは、父親も、叱っていましたね。この娘を、これから、きちんと、育成していく自信のようなものが見事に崩れ、これから、さらなる、難儀と心配が起こるのでは?戦々恐々としたのも正直なところです。自分を中心に世の中が出来ている・・・っていう勘違いが恐らくすべての要因だったのです。下宿館へ荷物を運んで、また、一ヶ月もしないうちに、そこを出ることになったとき、さすがに、容子も私に謝りました。勉強する環境をあの子なりに整えたいと願望したことは伝わっていました。通学するのに結構時間を要していたので、そこを短縮すれば、何か効果が見えると思ったようです。