アクアマリン・マン54

 結婚してすぐこいつは性善説型の人間だな・・って僕は気がつく。しかしそれはあいつには言わない。人がいいというお人好しの人間には共通項があって、騙されることをすでに予感しているケースがあって、予知能力は男性より女性が優位にあることは言っておこう。あいつの、いや、もっと上品に書きたい。あやつにはたったひとつ、人には譲れない領域があってそれさえ、きちんと保てていればOKなことを僕は結婚生活のほぼ一ヶ月で悟る。自分には与えられた才能を消化する義務があるという項目だ。この消化がまず間違いだ。確か・・・あやつは昇華とふっていた。芸術家や著述家は自分の才能をある程度知っているグループだと見ていいだろう。しかし無名の場合は別だ。しゃかりきになって有名になってみたい!!っていうグループもあれば、容子のように、有名でないほうが、実にリーズナブルって気持ちを転換して執筆しているグループもあるだろう。有名ならなぜ、いけないのだろう。ただの負け惜しみじゃないのか?ってバンカーだった僕など思う方だ。収入がないのに作家なんて見たことがない。しかし容子はこれからそこを開示していくのでは?が序盤として挙がる。幕が挙がるのだ。有名になれない。イクオール作家として才能がなかったでは、どうやら、ないようだ。それをなぜ、僕は気がついたか?っていうと新スマホを娘が手にしたとき。西嶌のシマが出てこない!!って叫んでいる。容子のトリックだ・・・わざとそういう字にして煙に巻いている。容子のトリックはこれからも続く。わくわくどきどきの作家である証明になるだろう。