ブラックオニキス・マン151

 自信と自信のなさが交互に表情に現れコントラストを形成するのが母の日常でずっと、永遠に自信にみなぎる顔でいることは珍しかった。優しい性質につけこむ人間が多いからそうなる。僕には姉が二人いて5歳上の姉…姉ももっと母を安心させるような日常的視座を持ってくれれば家全体が改善に向かうと僕は思う。人生を夢の海原みたいな捉え方を決して母は獲ってはきてない。それなのにそういう傾向を奪取してしまった姉の今後を僕も対岸から見ている。情も深くて冗談も通じて面白いけど、肝心の人生設計が皆無で刹那的な生き方だ。自分の収入の範囲内で暮らしてくれれば母もここまで追い詰められていくことはなかっただろう。それと思うのは女性はいつも男性を頼りに出来ないか?ってすぐ思ってしまう点。ここは弱点になる。きっといい人が現れて生活の全部を賄ってくれる。しかしそういう男性が世の中にいるとは思えない。どんなに素晴らしい女性が現れても依存されて食い尽くされてしまうのなら男の心には待った!が懸るのは当たり前。じゃあどうすれば悔いのない人生を送れるの?ってみんながゼロからスタートしているのがこの日々実働だと思う。働くが中心に来る人生のシフトだ。それをしないで、私には子育てがある!!って逃げている姿勢では肝心なものを失なう。子供はほったらかしでも自分を温存し、可能性を究めていく姿勢。子供は確かに分身で大事ではあるけど、人生にはそれぞれに目標が控えていると察する。僕もまだ手探りだ。偉そうなことなど吐けない。三十代になって一回り大きくなってきたね!!って母に言われれば本望である。