ブラックオニキス・マン134

 兄が大学に入ると同時に僕は兄の部屋を自分の部屋にする。普通の親なら迷うはず。兄が帰省したときどこに寝る?って。母は隣に空室があったことで了承してくれる。姉がお嫁にいって一部屋空いていた。そこはきれいに母の手で整頓してあった。いつでも眠れる無印のベッドが完備でしぶしぶ僕の願いを叶えてくれたのだろう。普通の良識ならそれはダメ!!って言うはずだ。なぜなら兄が帰省したらやっぱり自分の部屋で寛ぎたいからだ。父は僕が部屋を移動したことで少し動揺の顔を見せた。お母さんの了解はもらったから!!って話すと父は必ず安心した顔をして、お母さんという響きは絶対的だった。兄は遠く北海道に行ったことで僕も兄の部屋を貰えば頭が良くなるのでは?と先へ望みを賭けたのだ。素直な気持ちでそこを思う。集中力が半端ない。この部屋がしかし勉強家の部屋だった為にインテリアがいまいちだった。僕がすぐにしたことはネットで商品を購入することだった。当時は本人同士が電話で話したりが出来た。写真はない。僕は思っていたのじゃないソファー二人掛けが届きしかもエアーだったために、相当四苦八苦した。母は自分が買ったんだから気持よく受け容れなきゃあってニヤニヤしている。返品に行くにも車で30分懸る。母の運転で行こうとしたのだ。しかし母は連れて行ってはくれなそうだ。僕も相手と話しているうち、怒りを感じた。僕ではない相手の怒りだ。インターネットは当時は素朴でしかもいたいけだった。僕は暫くそのソファーを使用しやがて・・・小さく畳み押入れに直した。プールで遊ぶ浮き袋にもソファーがあるのよ、外国の映画で見たことがあるって母は話してくれたっけ・・・。

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