デニム・ブルーママン14の10

 その日は親戚中が集まって一階の仏間にいたのですが、法事の段取りに難癖を付けて来た親戚にあたしの怒りは爆発します。全部夫と義母が申し合わせて計画を練り私はあえて関わっていなかった。邪推でした。私のみならず、相手も邪推で固まっていたのです。本来なら嫁が謝れば済む場面でしたが、私は謝罪が出来ない。そういう性向が身についていた。すでに構築が出来てしまっていてそれをいきなり直して、すみません・・・がどうしても言えなかった。男たちまで助け舟を出さないので、とうとう実力行使に出て、全員を自宅から追い出していたのです。お盆でひとりひとり頭を叩いたのです。彼らもそして嫁たちも戦いて矢上神社にお参りして帰って行きました。ちょうど居合わせた容子に、正面から目を合わせられないくらい、私には正気が欠落していて、完全に彼らが帰ったあとに黙って容子に説明もなしで2階へ戻ったのです。バツは確かに悪くて、どうしたらいいか?容子は分からない様子で1階に佇んでいましたが、あえて説明しなくとも理解が出来る・・・と私にはどこか安心があったのです。自分のどうにも出来ないくやしさが時折爆発して溶岩になって流れて出してしまう。それによって人を傷つけてしまう。誰もがそこを知っていながら大事に扱えないときがたまにあったのです。私のようなキレ易い人間は生きにくい世の中になりつつあったのです。女性なら一歩引いてみんなの調和を計る。そうでなければ恐らくどの国に於いても孤立を余儀なくするのです。