デニム・ブルーママン18の13

 

容子の短大入学を、伯母は誰よりも喜び、入学式のワンピースを一緒に買いに行ったくらいです。でも和田家の風習として、喫茶店に入ってお茶を飲んだりはなく、どこまでも質素を、容子の頭に描かせたかった伯母でそこはあたしと流儀は異なっていました。女性だって結婚をして、一生男に仕えるわけではないのです。私は自分が倹約家なのであまり人様を非難は出来ませんが、嫁にいった伯母がわざわざ、容子を連れて、観光通りを抜けて鍛冶屋町も抜けてもっと細い道にはいってブティックを探し出して、その中通りの清楚な佇まいを彷彿とさせるようなワンピース、しかもかっちりしたスタイルの渋い色を伯母と選んだ容子の心境を慮ると、容子のつまらなさ・・・が手に取るように理解出来たのです。伯母は私とまるで違っていて、容子に女性としての品格や躾を身につけさせたく焦っていたのです。和裁や洋裁を身につけて欲しいとまで思っていたようで、そこまで考えていることは私に、伝わってきていたために、私は窮屈な思いで入学式の洋服も選んだのだろうと察しがついていたのです。自由奔放が失われることは、あの子らしさが損なわれること・・・しかし入学祝いのスポンサーです。私はあえて、何もいわずに、二人の散歩道を想像しながら、そっとしておいたのです。★24358★(向こうに千々石海水浴場が見える)