デニム・ブルーママン14の9

 一日でもバレーボールの練習をさぼれば振り出しに戻ってしまう・・・っていう考え。そこは動かせない。正しいときっぱり解釈している容子。それでも旅行に行ったことで秋はかなり切羽詰まって、正選手のポジション獲得に挑んだのでしょう。身長が低いことでみんなとは一緒にブロックでジャンプしても手が届かないことがあったけど、それをフェイントやサーブで補う・・・目標は中学校体育大会(中体連)で優勝でした。物凄く高い目標ではあったけど、皆がそこを見ていたようです。当時は一学年に300名いる東長崎中学校でした。中庭を中心に校舎が立ち並んでいてまるであのセット・・・アルフレッド・ヒッチコックの映画、裏庭のような設計だったのです。私は今…言いますが容子を産む前までずっとシネマが大好きだった。それをあの子に伝えるチャンスを逃していた・・・小津安二郎監督の大ファンだったのです。そういえばこの監督こそ、家族を丁寧に描いていた。じきに容子は生まれて、子育てに追われ、なかなか伝えることが出来なかったのも意外なことに、死角になって容子がこの監督のことを全く知らないというまさかな事態。日本人でありながら映画は外国作品しか容子は語らない。バレーボールにのめり込んで、漫画ばかりに気を取られていたことも明らかです。日本の美はきちんと映画に込められている。東京物語をじっくり時間を掛けて視聴して欲しい・・が私にも芽生えているのです。

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