ルビー・ウーマン823

 18年前の京都駅が映し出されこの映画のファンになる。ロスト・イン・トランスレーション。一回見たけど暗い感じでそこまでいいとは思えなかった。・・・けど今朝観ると、すこぶるいいのだ。ビル・マレー演じるボブ・ハリスはアメリカのスター。ウイスキーのCM撮りで日本を訪れそこでひとりの失意のアメリカ人女性と知り合いになり深く心の交流を持つ物語。不思議な魅力を持つ男女で心も柔軟になる。世の中には、喧嘩腰の人が多すぎて、こういうひょうひょうとしたユニークな紳士を見ると安心する。なんでこう日本は美しいのだろう・・・って富士山も映し出されそこに棲む国民はいい国に棲んでいるを改めて認識出来る。こういう映画の設定がソフィア・コッポラには出来るから天才肌なのだろう。確かに一回目はあたしをファンに出来なかった。しかし二回目は?しっとりとした心の安定に導かれていく己が見える。自分の心の変化がよく見える。以前は、ぼかしてあったように見えなかったのに・・・しかも京都だ。結婚式を今正に挙げようとするカップル、新妻になる人の手をそっと握る夫・・・なんていう感動の場面だろう。こんな、瞬間を外国人の監督が捉えていることに驚愕する。ありがとう!!っていう気持ちでいっぱいになる。瞬時、お金のことを忘れて自分があったこと。毎日、みんなも切磋琢磨で生きてお金との闘争ばかり神経尖らせている。仕方無い。でもそれを一瞬忘れてしまうとすれば映画は偉大だ。