デニム・ブルー・サファイアママン3の13

 私が一介の教師として粛々と過ごしているのに反して夫は違った様相で世の中を見ていたことも疎ましさの要因だったのです。何も社会を変えるチカラなど一介の教師が持っている訳がないのに、彼は、なんと日教組を敵に回して、どの教諭も考えないような発想で委員長に立候補するのです。当時大勢を握っていたそのグループに刃向かっていくことは将来の教諭生活を否定するようなもの・・・かといって私は日教組の思想にも属してはいなかった。世の中のすべてのシステムが不協和音を醸し出し、どうすればいいのか?混乱の中でも、ひとつ、抜きん出ていたのは情操教育だと目星を付けていたのです。しかしやはり、かなり、手こずります。容子は気持ちが集中出来ないという欠点を抱えていたのです。ひとつのことに三十分、それすら気モチを向けられない。こんなことじゃあ、将来おぼつかないとさえ、思えて、時に厳しく叱りつけしました。覚えが速いようで、翌日訊くと完全な答えが出てこない。知能指数が他の子供達に比べて大層上!!っとそう過大評価していた自分の思惑は見事外れます。これなら・・・親友の子供さんたちには大きく遅れをとってしまう・・・疑心暗鬼に陥り、夫にも辛くあたっていた可能性はあったのです。