デニム・ブルー・サファイアママン3の2

 アパート全体は今で言うコミニュティ。数々の情報を共有していました。そこには集会所があっていろいろな催しの開示はなされそれは・・・逆に今なら容易に想像出来るかもしれません。後の世に監視社会は出現するとしてそれに酷似しています。しかしそれゆえに安心な面もあった。夫は囲碁に傾倒し、すぐにその領域の確保に走ります。これぞと思えば一目散で、熱しやすく冷めにくい。この傾向で老後までつっ走ることは想定内でした。しかし人生の第一目的ではなくあくまでも趣味。それが理解っているゆえ、自分も考えるところがあったのです。何も自分では意見を述べない生き方では将来教師としての未来もないのでは?という自分の中での葛藤はあった。同じ世代の子育てだけに従事する主婦のほうが生き生きして見える。錯覚でもなんでもなくそれは実相だったのです。家を出る!!別れる!と豪語していた女性が旦那が出張ということでとうとう決行に出たようで挨拶に来た・・・とドアの前まで来る。そして優しい私は家へ入れるのです。ひと目赤ちゃんを見てさよならしたいって。健気に想いじっと様子を伺っているとお金貸してくれない?いつか必ず返すから!!って。私は迷いません。そこには女の人生劇場があったのです。いいアパートがあっても亭主と折り合いを付けられない女の不器用を買ったのです。