ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔71〕アパートは全棟に鳥の名前が付いていて、キャロルが生まれたことにより、少し違う間取りに移ったのでしょうか。確か、ちどりに移ったことを覚えています。鳳に住んでいたと記憶するけど・・・。父が話すのは故本島市長のことです。偶然にも父が出た夜間中学の教員をされていた時期もあって、思い出すと父はほろ苦かったのでは?と。片方はしがないサラリーマンで終わり、本島氏は市長にまでなった。そして業績も素晴らしい。でも母はクールな視線を彼に注いでいました。どう説明すればいいのかわかりませんが、母の認識では男はカッコよくて、強くなければならない!というシェアがいつも温存で困ってしまう。鳩から千鳥に正しく引っ越すときにひと悶着おこしています。この夫婦のお蔭で、赤ちゃんキャロルは相当の辛苦とハラハラを体験しています。母が怒って、持っている鍋やヤカンを全部道に投げた事件。父は泣きながらそれを新居に運んでいます。ひどいと思うでしょう?これが女の正体ですがねん。せっかく新しい間取りに引っ越すから、仲良くなるかも?と赤ちゃんなりに期待しますが、それもこの二人がメチャメチャに・・・。父はずっと兵児帯なしの男で、ヘコナシと母から仇名で呼ばれていました。しかも家では殴る蹴る・・・。キャロルは男の地位を高めたい!!との所存でずっとここまで来ています。だからこそ美しいのかも・・・。キャロルを踏んだり蹴ったりする男達にまず未来はありません。