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 全く精彩の欠片も見えなかった自分の母親、それが最近子供達からちやほやされていて僕は正直驚く。いつも全額の持ち金が一万円も無かった母親が、最近ははぶりがいい。しかしかといって散財はせず、全部あるもので生活している。この姿はなんだろう??って僕には懐疑が芽生えて来る。これからの前途多難を知るゆえにここまで質素でいるのか?それとも悠々自適の部類に入っているのに僕らがカテゴリ枠を誤ったのか?そこまで厳密には考えないが、タブレットも兄貴のエディオンポイントで購入してもらったりとこの処イイコトずくめなのだ。昨日は若竹丸で腹いっぱいお寿司もごちそうになって、母にとっては夫を亡くして49日にも満たないというのにこの子供達のおもてなしだ。母の苦労を子供達がずっと見ていた証明なのだろうか?すこぶる評価が上がっている。今まで専業主婦通知表でいうとほぼ2だったものがオール5まで上がっている。しかも母は飯を炊かないで座っているだけ・・・。僕らが行っても何も出さない。余った香典返しの小城羊羹を出すくらいだ。人生63年も生きて来て誰も母を褒めることはなかったのに、子供達の豹変が僕には気に掛かる。母への感謝の気持ちを表現する手間を今まで省いていたとしか思えない。親父への遠慮だったのだろう。