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 存命中の父の願いは僕がカード依存を脱却し、現金一辺倒で生きること。その強烈な父の思いが通じているのか、僕はまだ外食をしていない。いや、昨日・・・不思議と言えば不思議だった。僕はガストのモーニングハンバーグの朝食に行こうとして遮られる。カンバン屋が来ていて、すみません・・・と僕の車に近寄ってくる。あのう・・・いつもなら八時からですが、今日の朝だけ設置工事があって、午前九時から開店になります!!そう言われておめおめと帰る僕の姿を父が天国から見ているのでは?を想像してしまう。こういうことは恐らく一年に一回あるかないか・・・出鼻をくじかれて、僕はガクっときたもののそのお陰で金は全く減ってない。その足でセブンイレブンに入店してマッチを購入する。仏壇は僕の家に設置して父の遺影に毎朝向かう。この影響なのだろうか。行く先々で不思議なことが起こる。僕は自分の収入と向き合って暮らさないといけないのに、美味しいものに目がないをまだ、心中どこかで継続したい気持ちで動いていたのではないのか?貯蓄が底をついた訳ではないものの定期収入がない僕の生活は毎日出て行く銭が勝負を決める。なるべく自分の足を使い車を運転しない。そしてカード使用しないで暮らす。今までとは別人にならないととてもじゃあないけどこれからの道のりでの頓挫は見えている。一日でも父の望むカードを使わない生活が達成出来れば次は二日目、そして三日目と僕のカード無依存主義は続行されていくのだろう。それはいわば、美食家としては死を意味している。自分で作ってみるのもいいな!!とは思うもののまだ、キッチンを動かす気にはなれない。どうすれば父の望む現金主義になって、なおかつ貯蓄も生まれるのだろう。仕事への思いはその度に膨らんでいく。