bo28

 僕は毎日馬車馬のように精神と身体を酷使して稼いでいる。そういう自分が当たり前でそれ以外の自分は見当たらない。数日働き数日休む。もちろん働く日数に比重はある。働く日数よりも休む日数が多いなどある訳ない。それがサラリーマンの姿だろう。ちっとも哀しいとは思わない。しかし慣れ慣れになってしまっていることは事実で、惰性の繁殖が見当たらないからそれで良し!!とは思えない。僕らに大きな希望は見えない。毎日そそくさと動いて銭を稼ぐ。なんかもっと大きな煌くような希望の形を目にしたいけどそれは遠い。手にしている人もいなければ扱える人も話も聞いたことない。僕はそう言う時に驚くような光景に目を見張る。僕が来店する、煙草を買おうとする、まだ銘柄さえ言ってないのに、さっと取りに行って僕の前に持って来る。一個じゃないかもしれないのに、一個持って来る。そういう時に僕は怖くなる。なぜ、僕の好きな銘柄を知っているのか?っていう個人情報だ。確かに毎日買うからさすがに覚えているって言われればそれまでだ。しかし相手は七十歳の女性コンビニスタッフ。そんなに覚えがいいとは言えない年代・・・。しかし覚えがすこぶる速い。稲妻よりも速い。僕だけではなく常連のみんなの煙草の番号を言える。そ、そんな馬鹿なって思ってはいけない。みんなが出来ないことを開拓していくのがシルバー人材と呼ばれる人々である。