Ss76

 僕も様々な人間をこの目にして来たが、自分程わからない奴はいないなって、ある日突然がっかり来たり、ある日突然評価が変わったりしてそのものズバリ、あやしい人間だと総括する。僕はどうしてもクラスの学級委員長のような立場にはなれなかった。いつも孤独で、塩ホルモンを求めて夜の居酒屋を徘徊していたような食い物に凄く弱い人間だ。こんなに食い物に弱い人間だとやっぱり誘いは多くて、いいもつ鍋専門店が出来たんだけど、どうよ?今夜おちょこで洒落こまない?って言われると半分身を乗り出して、OJを出す。OKが普通の了解ならOJはjoy含み。かなり嬉しいよっていう合言葉に相当だ。仲間内で飲んでいて僕がもっとも嬉しいのは仕切る人間が皆無なこと、それでいてみんなが元気溌剌っていう和の源みたいな飲み会が好き。しかし滅多なことで僕は最近誘われなくなった。あやしい人に分類されているのだろう。何か得体のない不安要素を持っているっていう雰囲気は人に一歩引かせる凄味を持っている。このことに気が付いたのは、西暦2000年代に入ってからだ。引くは元々、自分は目立たず大物補佐型人間だった。この、引くには深い意味が埋蔵されている。塩ホルモンならそれを解読したり応用することが可能なのだろう。異業種交流には欠かせない長期人気のひとつになっている。