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 この国の諺に目くそが鼻くそを笑うという言い回しがあって、それに輪を掛けた状態になっていることがそのまま日本の現象を読み解くことに関与する。僕はこの言い回しを変えてみた。目糞は鼻くそを褒めるだ。こういう動作に陥っているのが今の日本社会だと思う。嫌悪の対象を見つけた時、この国の民族のしたり顔こそ面白くて、一口では言えない奇異力に充ち溢れている。僕はこの言い回しを身に付けるようになって、どんなにカッコイイスーツを着こなすことよりも、今の僕にフィットしているなあって自惚れてしまう。あ、済まない。反対だった。鼻くそが目くそを褒めるだ。この構図に嵌まってしまえば一見アリ地獄のようだが二人にとっての好都合。僕がそれに気が付いたのももちろん、目糞が鼻くそを笑うをマナ板に挙げて真剣に論議を重ねて来たからだ。そのものズバリ、今の日本を言い当てているよね?は~直感だった。邪推の域ではない。どんな表現で叱咤激励するよりも効果を見込める。僕はしょっちゅうこれからも使おうと張り切っている。この類は何もかも一律で、マニュアルからも離脱している。得体の知れない自信は惰性から来ている。自分が信じている人は自分より少しだけいいのだ。だからこういう表現が的を射る。試しに、僕がズバっと斬り込んだら、恐らく万人が黙っていなくなることだろう。