am133

 僕が亡くなって五か月して渡さんが亡くなる。肺の病だったと聞き僕も苦しさが理解出来、同じ気持ちに到達する。肺は本当に厄介で、若い時、せめて四十代までなのだろう。移植もそれ位で出来ていればいいが、後には難しい。僕もせめて八十歳まで生きたかったって思う。なぜ?やり残したことだ・・・。確かに生きて毎日過ごしている時には、こんなに苦しいのなら、いっそのこと、早いとこ、あの世に送られたいって思ったこともあったが、それも一瞬だ。すぐさまそれが間違いだと分かる。みんながそれぞれ余命を与えられ、この世に誕生している。この命を粗末にすることだけはしたくない。僕は理想家だった・・・とそう今になって悔いる。ひっちゃかめっちゃかでいいのだ。容子の出来る範囲で充分良かった。それなのに注文やイチャモン付けてあいつを愚弄した。でも心の中では思っていた。充分過ぎるよ?って。お前にしちゃあ上出来だったよ?って。僕は褒めることや媚びることを人生でほぼやってない。おおお!!凄いぞ!!って一回くらい言っても良かった。そこで人生は逆転しただろう。余りに綿密に精査し過ぎた。高いものを求め過ぎた。この俺のような男に35年もついてきてくれたあいつに返礼として推挙をしたいと思う。明日は二人の入籍記念日。地球規模の人材として俺がレポートを書いてゴッドブレーンに送ろうと思っている。