イエローダイヤ・マンyd774 僕は一発で合格を決めて、ルンルンで家に帰って多良見のアクロスプラザまで車で飛ばした。こんな嬉しい日はやっぱりトン汁しかないだろう。久山キッチンのポイントがちょうど満了になって500円分貯まっていた。これが僕の門出をお祝してくれたことが信じられない。こんなスムーズに決まるなど全く想像しないし、バイト面接も随分変遷したことを思い知る。履歴書も必要ない。向こうが用意した質問票に書き込むだけでいい。僕は久山キッチンで、もち麦ご飯の中を注文する。なんていうか幸せの境地はこのもち麦にあるようで、改めて僕のこれまでの奮闘を思い浮かべる。政治や経済のことを論じている僕とは真逆の、貯金型男子が、ここまで明瞭にスコープに現れてきたことが群を抜き、僕は同年代のすべての男子と今、徒競争のスタートを切ったという手ごたえでいる。僕の貯蓄は今ゼロだ。こうまでないのも恥ずかしい。僕と同年代なら、たとえ結婚していても、僕よりも高い継続貯蓄を維持している。そこを思うと即座に猛省するしかない。僕は余りにも今まで投資にお金をつぎ込み過ぎた。これからは自分の身体に宝石を見つけて繰り出そう。もっといい人生を....というよりも僕は、人生百年時代の大海原にたった今、船を漕ぎ出したとみていい。