イエローダイヤ・マンyd762 僕は凄い温泉を詳しく紹介して貰った。創業明治元年という歴史的な温泉。後は自分のレンタル車を運転して行くだけだから心配ないが、又、厄介なことに巻き込まれる。おむつを買って来て欲しいっていきなり頼まれてしかも三倍スタンプの今日ならベリーグッドだと、自分が得をすることだけしか眼中にないこの女性に正直、吐き気がした。こんないい日に僕は自分が探索していくべき温泉にもゆっくりは浸かっておれずくやしい。昨日までの僕の決心は見事もずくのように排水溝に吸い込まれていく。確かにあと18ポイントで五百に行ってそれが500円金券になりはする。しかし僕はどこまでお人良しなのか?って自分の頬を抓る。確かに痛いっていうか肥り過ぎだろう。僕はこの前の検診でとうとうメタボ予備軍に認定された身なのだ。おむつを買うっていう必修科目を言い渡されてそこからどうしても気分が乗らない。乗れないのだ。マミーポコが売り切れの場合はどうすれば?この外出は以前から楽しみにしていた道ノ尾温泉ルート。しかし指定されたドラッグストアを経由なら、時間が40分以上割増で帰宅予定に誤差が出てしまう。億劫な気持ちもどんどん前倒しで顔に浮かんで来る。なぜ親御さんは運転免許のひとつも獲らせていなかったか?それをあえて尋ねると、免許は獲ってなくて逆に良かったって親御さんは安心しているという。放浪が好きでもしも車があったなら今頃は、納沙布岬まで行っている可能性があるらしい。僕にはこういう日本女性がいたことが現代の魔境のように映るのだ。