スノーサファイア・マンss16 年金を貰うステイタスを獲得出来ず母は13年勤務して教員を辞め、それに比べて父親の年金は当時、今の平均を悠に上回る。それでも生活が困窮していたのが姉も分からない、推理小説家でも行きつくことの出来ない迷宮に追いやられるという。ちょうど弟が自分の家を建てたその数か月前、入院中の母親の貯金通帳が出て来て、その額を聞き僕も卒倒しそうになる。別の土地〔父が弟の名義に替える〕に家を建てて弟は母親をすぐに施設に預けてしまうのだ。その方が怪我がないとの説明を受けた姉だが、不本意な気持ちになったという。母の施設代は父が持つ。最初から最後まで父が担当だったにも関わらず、一体、家を建ててその残った金がどこに消えたか??って。しかしこの生活費っていうのが結構消耗が速いっていうことに段々僕のみならず世間もここ数年で覚醒して来たことは言えていて、月に三十万生活費が要る人なら、三百万位は悠に吹っ飛ぶだろう。一年内にだ。僕はそこで、もはやこの新居さえ売ってしまった弟の腹の内には、結果として生活保護を頼むしか道はないのでは?とお節介にも考えてしまうのだが、それはプライドの高い弟だから最後の最後に回すだろうなって僕は類推する。しかもまだ差し押さえられた実家の買い手はついてない。彼の頭なら、どんなチャンスを掴むことだってこれから不可能ではあるまい。最初にしかし決めごとはある。年収幾らで過ごすことが許容範囲の自分であるか?ここは人生を再設計するにあたって筆頭に挙がる決めごとだろう。