ss406

 このまま行けばスノーサファイアは409編で終了だ。名残惜しい気持ちもある。僕はみんなの前に現れることで存在を確かめていられたがそれがないとすれば、この先、考えないといけない。以前ならすぐに浮かんだ代替案。しかし二年後、六十歳になろうか?っていう僕にまだ猶予はある!!っていう言うプラス志向の気持ちには嘘はない。ただ単に負け犬のまま、終わるほど僕は弱くはないはず・・・。しかし今はもう両親もそして義兄もいなくなって一番の理解者であった伯母もこの世にはいない。伯母は口がウマかった。姉のいない場所で僕のことを特別に褒めてくれる。信じられないかもしれないが、本当に引率が上手だった。魂の引率だ。しょうちゃんにはお姉さんにはない、しっかりした誠がある。それは叩きあげにこれからなりなさい!!ってことじゃないんだよ?って。じゃあどういう意味?って僕は思った。向こうはしたたかだ。叩きあげっていうのは苦労の現場に生まれた人々には、生まれた時から自然に身についている習慣のように強固なもの・・・そんなものはあんた達にはない。でわ、どういう生き方??僕は伯母に詰め寄る。知りたい気持ちをなすり付ける。伯母は明言した。生まれが厳しければ厳しいほど、生まれつき身についているものがあるけど、あんたたち姉弟にはそれがない。だからこれからそれを必死になって身に付けるしかないって。僕にはそれが何なのか、まだ探し当ててはいない。