ルビー・ウーマンr317 いつもの年末ならみんなに頭を下げてお金を借りに行くのに、その年の最後はクライマックスシーズンさながら、自分ではない時節を過ごします。こうして同窓生に会えたことも嬉しい再会だった。しかし鉄則もありました。自分の顧客がいる時に彼女はちゃんと私に紹介しないのです。それは競合があるからで、目敏い彼女は戦略的だったのです。顧客を紹介されたことはゼロではない。でも肝心の大物を外している。戦略的ではない私でも彼女が一丁前として私を見ていることが伺えます。いつ何時何が起こるか?そこにホステスは敏感で豹のように襲い掛かってくることを想像し怖くなる時もあったのです。なぜなら顧客を一緒の軒先に持つことは無理なんだなあをある日痛感します。同じ店だけの競争ではなくそれはクラブ対キャバレーでもあったのです。顧客の足がそっちへ向いて帰らなくなったらどうする?って。男というのは面白い生き物でaim志向の塊といってもいい。女に素っ裸にされる男の歴史も多かった。彼女の眼はすでに眼光といってもいい程にらんらんとし段々この世界の陣取り争い見えて来たように思うのです。顧客を大勢引き連れた女子ならバンス百万超えもあった位ですから金イクオール女子の取引はあったのです。ひとりも顧客を持たない女性はヘルプとしてみんなに重宝がられる道があって、どれにも属さないのが当時のあゆみが立つ位置だったのです。