サファイア・マン《緻密な男編》〔176〕私はやがて一発台というパチンコに魅せられます。それはある一か所に入るとずっと開いたままになる台で、もう一回そこに入るとダメ!!運は逃げる。一回そこに入ると兜の緒を締め直すみたいに、今度は二度と入らないように皆がシャカリキになる。全部の神経をそこに集中させることでパチンコの最高歓喜を味わうことが出来て、いつかシゲルちゃんもようちゃんのいる島にやって来るのです。スロットは軽妙でスタイル重視のプレイがカッコイイですが、パチンコはカワイイ。女性がのめり込むのがよく飲み込める。しかしこの台は男性陣が多かった記憶が残っています。一回そこに投入するとラッキーが点灯、そこに二回目が入らなければ持ち玉は減らずに楽しいパチンコが可能になるのです。しかし気を付けていればいるほど、玉はもう一回そこへ突入するのです。そういうハラハラドキドキがこの台の醍醐味で、何も考えず強弱をコントロールするだけのこの台を大層愛したのです。理屈もなく、ただ単に一発が勝利を呼び込む。そしてそれを継続するのは玉を強く打てばいいのです。しかしそれだけではないのです。玉を強く打っても弱く打ってもやはりその穴に入る時は入ってしまう。私はこの台を考えた人を文句なく凄いとそう思ったのです。