サファイア・マン《面白い男編》〔175〕ホールに行くと興奮冷めやらぬ気持ちで台を見て回ります。子供を連れているので、周囲の迷惑にならないように、とりま膝に抱っこしますが二男がそういう拘束のもとに、じっとしていることは考えられず、私は暫くパチンコをしないで、ホール全体の様子を伺うのです。ここにはゲームをしないまま観戦することも出来るスペースもあって、絶対に子供の手だけは離しません。皆が自分の子供を顔認識してくれるまで時間が掛かるし、日曜日ごとに行くことで私達の子供だということが段々認知してもらえるまで時間をかける。それに私には気になる台がまだ見つかりません。シゲルちゃんはペガサスがお気に入りでいつもそのお目当ての台に座るのです。スロットで、しかも今みたいに複雑ではない点が受けて、顧客を魅了する台になっていたのです。もちろん勝ったり負けたりで比率では負けることの方が断然多かった。しかしここで二男が観察力を駆使して、自分もスロットが出来るぞ!!って見越していたことにまだ、私は気が付いてはいないのです。彼は一回見たもの聞いた事を即、記憶出来る海馬を持っていて、例えそれが三歳なったばかりであろうともびんびんに稼働していたとすれば?ようちゃんはこの時の体験を大切にしていて実は余り人に話したことはないのです。