サファイア・マン《かけがいのない男編》〔147〕自分がどれくらいお人良しかがわかって嫌になるのですがもしも人生を最高に極めたいのならこの大橋で動かなければ佳かったのです。そしてなぜ、悶々と暮らしていたにも関わらず四年後の宇部への転勤のときついていったか?そのまま家族は残れたはずです・・・。それなのに又三年半後の宇部から熊本への転勤のときにもついていく・・・。そういった自分が本当に嫌になります。彼は独身生活が長期だった為にほぼ完璧に暮らせたはず。それなのにこの素晴らしい大橋を跡にした自分の裁量に家族も今になって総括します。お母さんは自分の首を自分で締めるタイプだ、私だったら単身赴任させて、ユメが一杯のこの大橋でずっと暮らしたかったと。キャロルにもそうしていれば或いは?との思いはあるのです。こんなにワガママな男性はいないからです。上げ膳据え膳で来たことが彼の為に良かったか?を吟味すると私がそこまでしなかった方が彼は大成したのかも?との疑惑は拭えません。家族は全く収入がないゆえに彼の意向に従うことが一番だった、そしてそれに殉じたのがキャロルの第二の結婚です。夫唱婦随といえばカッコイイですが、ここはダークホースが混じった戦〔いくさ〕だったのです。