ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔154〕まだまだ、人生未熟な十代後半のキャロルと反比例の位置にいたまさお君のお父様。しっかり耳に入れて欲しいことがあると注文を受けます。容子ちゃんは自分の父親を切る!という気持ちでないとこれから先は危うくなるぞ?と。一瞬ドキっとします、意味もわからない。今どうこう言ってもわからないだろう、だから強制はしない、つまり自分の父親を断絶するくらいの強い気持ちがないとこの結婚はうまくはいかない、わしはそう思うんじゃ・・・キャロルは何を言っているかがまだそのときはわかっていません。要するに、その小倉への逃避行は自分たちで計画し行方をくらましたことにしないとまさお君のお父様が浮かばれないということで、そういうことにも、まだ、キャロルは気が付いてはいなかった・・・ここで、社会音痴をケサボイしておきましょう。社会的なことに敏感でなくともそこそこ暮らせる子女だったということが天然気質と合体して容子という十代の女性を意味不明にしていた・・・。まさお君のお父様に対してはっきりした返答が出来なかったのもそこら辺の蒙昧があったからで、人生の酸いも甘いも噛み分けたサックス吹きには近い将来が見えていたのかもわかりません。