ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔130〕今でいう肉食系や草食系でいうならキャロルが取っていたのは脳味噌系。相手の才能に食指を動かす、興味があったらそれを構わず食ってしまうという脳味噌系だった。ケサボイしておきましょう。フードコートゾンビです。しかしそのことがキャロルをここまで成長させ、誰もが避けて通るほどの強豪にしたのだとすればこれは相当の意味価値があるでしょう。キャロルがまだこころの底でいいなあって思って決して忘れられないその男子、ダンプの運転手Sさんに思いを寄せていたことをまさお君にある日素直に打ち明けるのです。振られたこともマイッカで話すのです。まさお君はたとえプラトニックであってもそれは聞き捨てならないし問題だと譲りません。なんで黙っていたの?って。やがてキャロルは大きな喧嘩をまさお君として元彼の運送会社に電話を掛けるのです。もうこんな生活イヤダ!?意味ないしキツイ!って。元彼は久しぶりに連絡があったことと気まずい別れ方をしたからでしょう。信じられない想像力でまさお君をびっくりさせる作戦を仕掛けて来るのです。そういう所までこっちは希望してないのに元カレはキャロルが短大を辞めようとしていることがそもそも間違っていると主張、全部今の彼氏が悪いって言い出して、慌ててこちらが訂正してもわかってはくれず、まさお君のお父様にも迷惑かけてしまうのです。元彼は・・・組の若衆を連れて今からそっちへ行きますけん!って店の電話に掛けてきたのです。冗談に決まっています。あまりにキャロが可哀そうになってそこまでやろうと決心したのはまだ元彼が弱冠二十歳だったことを思えばな~~るほどね?って。まさお君は心底怯え、お父様もしばらく放心状態で、ある日の午後にこう振ってきたのです。そろそろ容子ちゃんピアノのコード覚えてきたかな?は、はい!!主要コードは大丈夫です♪ここで元気に答えたことでまさお君のお父様もこの一件からは吹っ切れたようでした。