ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔140〕まさお君のお父様は音楽で鍛えた音脳を持っていました。誰もが違う音色を出すという楽器の各重要性でそれぞれの人間の言葉に敏感だったということです。妻の言葉・・・いつの間にか消えているという行が気に掛かります。まさお君の嫁になるなら引っ張ってくれるようなアネさん女房タイプがいいなと考えていただけに違算が生じます。ひたむきに音楽に傾倒しているように見えるが、容子ちゃんには人が知り得ない裏があるのでは?との邪推に出るのです。しかしニッポン語彙の邪推とは若干のズレがあり、容子ちゃんもまさおも若い・・・まだ若過ぎるから決め付けるのは止めよう、バンマスらしくはないぞ?と自分をケジメルのです。三階にラウンジがあってそこで試験的に電子オルガンを弾かせることで様子を見ようという訳です。キャロルは初めての挑戦で弾き語りをこなします。みんなに自分の声や演奏を聞かせる試策ですが心臓に鉛が打ち込まれたように緊張します。しかしこれも慣れで段々と余裕も出てきます。キャロルが演奏しないときにはレコードが回りカウンターはあるもののボックスはほぼなくダンスホールのようなラウンジだったのです。その頃はソウルミュージックの全盛期。誰もがその音楽を主眼ってか主耳にしていて、これをベンジャミンしておきましょう。ホットイヤーですね♪